米国株投資をこれから始めようとしている方には、うってつけの一冊です。
イラストが多く、一つの項目についての説明が簡潔なのでさくさく読め、網羅的でもあるのでざっくり全体を把握することができます。
何となくふわっと取り引きを始めてしまった、私のような投資家の学び直しにもよさそうです。
少し気になったのは、米国株投資のメリット面ばかりが強調されて、デメリットについてはあまり触れられていないことです。
例えば、本書では立会時間中の取り引きを推奨していますが、日本と昼夜がほぼ真逆のアメリカ市場をリアルタイムで追うことは現実的ではありません。
また日本市場と異なりストップ高・ストップ安がないことは、リアルタイムでチャートを追えないリスクを加速させます。
平穏な市場であれば、夜寝る前に発注(あるいは売却)の指示をして、朝確認すれば十分なのですが、SNSの株クラ御用達のスラングに「おはぎゃー」(朝起きると米国株が下がっていてなんてこった!ということです)があることを考えるとそう簡単ではないことがおわかりいただけるかと……。
ほかにも、アメリカは地政学リスクを抱えていると言われています。
(その対極にあるのは日本の内需株でしょうか?)
またGoogle翻訳があるとはいえ言語の壁が立ちはだかるので、インデックスや債権ETFはまだしも、個別株は初心者向きではないだろうなと本書を読んでも感じました。
何より「米国株は割高」「バブル状態にある」といった見方をしている人も多くいる昨今。
どこで買いの判断をするかというのは、日本株よりかなり難しいのではないでしょうか。
とはいえ米国株のみで資産を増やしている投資家も多くいますし、魅力的な投資先であることは確かでしょう。
日本市場との比較もされているので、勉強になると思います!
米国株投資の勉強の一冊目に、ぜひ。