正直なところ、かなり警戒しながら読みました。
なぜかというと、「5年で1億」が大変魅力的だからです。しかも給料に手を付けず……
そんなことは、投資のセンスが高い人にしかできないんじゃないの?と懐疑的だったのです。
お金持ちになったら、広々した家を買って、やりたい仕事だけして、海外旅行へ行って外食も自由にして観劇もしたいだけして……その素直な願望を否定するのもおかしな話です。
とはいえ、リターンが高いってことは、リスクも高いよね。
そう思いつつ真似できるものがあれば、と手に取ったのです。
ただ、この本は文章もとても読みやすくて、かつて私もオタクだったので、水樹奈々さんの大ファンという著者に共感しました(笑)
また原資となる300万円をいかに増やしていったのか、詳細に記録を残しておられるようで、記録魔になりたいのになれない私は、少し仰ぎ見るような気持ちにもなりました。
著者の手法は運用資産額が増えるにつれ変化するのですが、はじめは「新高値ブレイク法」です。
年初来高値をつけた銘柄のなかから銘柄を選び、資金流入の波に乗って一定のところで利確するという投資法です。
数週間~数か月で売却するので、「中長期で保有せねば」「握力ゴリラが最後に勝つんだ」と思っていた私には新鮮でした。
リスク管理の方法も明快でわかりやすかったですし、私のポートフォリオの欠点である「分散しすぎ」という点もやはりデメリットであると書かれていて、高配当(増配)株を買っているNISA口座はまだしも、特定口座では集中投資する方針にしたいなと思いました。
その後もさまざまな投資法を試し、結局たどり着いたのは「中長期投資」だったそうです。
新高値ブレイク法は機関投資家の動きに大きく左右され、私も最近とある銘柄でそれを実感しました。
2か月間綺麗な右肩上がりだったのでインしてみたのですが、ある日一気に17%下落したのです。
kenmoさんの解説であるように「株高の初動」ではなく出遅れていたし、イナゴだと言われたらそのとおりです。
ちょうど証券口座に現金余力がなかったこともあり、正直狼狽しました。
どうにか売らずに様子を見てはいますが、新高値ブレイク法の怖さを見た瞬間でもありました。
(逆に言えば、買うのがもう少し早ければ、この本で学んだことを生かして資産を増やせていたのです)
なので株式投資を始めたいから勉強しよう!と思っての1冊目に本書を選ぶのは、ちょっとおすすめしにくいかな……。
安定した職や貯蓄がしっかりある方、リスクを引き受けられて他責しない方なら、大丈夫だと思います。
3か月くらいは株価の動きなどをシミュレーションすべきと著者も言っています。
投資を始めたものの、なかなか資産が増えなくて悩んでいる方にはすごくおすすめです!
どんな投資本・投資法にも言えることですが、盲信は禁物です。
本を読んだ上で自分で考えて、自分のお金で試して実感することも多くあります。
寄り道かもしれませんが、勉強したことを試しながら自分の投資スタイルを探したいなとあらためて感じました。